色とりどりの個性が宿る少女
各自が異なる世界を映し出す目
だが彼女はただひとつ望む。
その全てを失い、無個性となること。
彼女は絵の具のパレットのよう
多彩な色が混ざり合い
豊かな想像力を描き出す。
しかし彼女は求める、白いキャンバスの静寂を。
彼女は独特の旋律を奏でる楽器
誰もが彼女の音色に耳を傾け
彼女の世界に引き込まれる。
だが彼女の心は、無音の平穏を切望する。
皮肉なことに
その望みが彼女を一層特別にする
彼女の心の奥底に息づく無個性への願い
それがまた新たな個性を産み出す
彼女は自らの願いに矛盾する存在となり、それでもなお進む。
無個性への道は遠く
険しい
だが彼女の足は決して立ち止まらない
彼女の追求する無個性は、 個性豊かな少女の中で、唯一無二の個性となる。
彼女の求める無個性は
究極の自由
他者に影響されず、自分だけの世界を築く。
彼女は特異な色彩を放つ花
だがその中には、白い花びらの清潔さが秘められている。
無個性になりたい個性的な少女、
彼女の内なる闘争は
美しい対照を生む
彼女の願いが彼女自身を特別な存在とする。
そのパラドックスが、彼女の最も美しい個性となる。