この世界には、未だ知られていないことがたくさんあります。
ラステル世界でもそれは同じです。
ラステル世界も、文明の発展と共に、たくさんの考え方やモノの作り方が生まれました。
その中で、最も研究が進んででいて、最も研究が進んでいないのが「水晶」です。
これは、私たちがその言葉からイメージする水晶よりも非常に大きなものを表しています。
いつの時代でも、たくさんの人が「水晶」を調査し、考え、発表し、そしてしんでいきました。
現在、私がどうしてラステル世界のことを知っていて、こんな仕事をしているのか、正直よくわかっていません。
ただ、一つだけ言えるのは、「水晶」によって私がラステル世界の書物を生み出すことができているということです。
言っている意味がわからないかもしれません。私もなので安心してください。
しかし、わからないから無視してもいいというわけではありません。ラステル世界で「水晶」は確かに存在し、この「図書館」にも存在する以上、何なのかよくわからなくても、これについて考えることは必要でしょう。
そのような理由で、私は「水晶」について簡単にまとめようと考えたのです。
この話を公開するにあたっては、ある迷いもありました。
それは、『「水晶」についての私個人の考え方など求めていないのではないか』という迷いです。
そもそも、ここは「ラステルライブラリー」であり、私の個人的な感情や考えを述べる場所ではありません。
しかし、先ほども書いたように、「水晶」はラステル世界と「図書館」にとって無関係ではありません。
さらに、今回「水晶」について書くのを決めた理由は、今から書く考え方が私たちが普段生活している現実世界でも適用できると考えたからです。
読んでも意味がわからないかもしれません。
そもそも、これは私個人としての考え方であり、実際にラステル世界でどうだったか私はまだ知りません。
それでも書くのです。
前置きはこれくらいにしておきましょう。
水晶とは何なのか
まずはじめに、私が「水晶」をどのように使っているのか書きたいと思います。
私は、現在この「図書館」で、本の編纂作業をしています。
このような随筆を書くせいか、よく誤解されますが、私は本の原作者ではありません。
既にラステル世界での作者がいて、それを「図書館」に書き写しているだけです。
それが私の主な仕事になります。
ここで、まだ存在しない物語をどうやって書き写しているのか疑問に思うことでしょう。
その答えこそが「水晶」なのです。
初めに断っておくと、「水晶」は物体であり、物体ではありません。
そういう概念とはかけ離れたところにあるのです。
というわけで、実際に私は「水晶」をこの目で見たわけではありません。
ですが、輝きを感じたことなら何度もあります。私はその輝きから物語を読み解き、本を書いているのです。
「水晶」が何なのかはよくわかっていませんが、少なくとも私に本を編纂する力を与えてくれていることは確かです。
ラステル世界での「水晶」に対する考え方はまちまちです。
現在は私ひとりで編纂していますので、時間がかかりますが、現時点で編纂しようと思っている物語では、「水晶」に対する考え方は時代によって、地域によって、人によってバラバラです。
「水晶」について書こうと思ったものの、書くことが難しいという難題にぶつかってしまいました。
ですが、世代を越えて共通する考え方もないことはありません。
それは、水晶とは、「願いをかなえる未知の輝き」だということです。
とりあえず私が編纂して物語が増えるまでは、こう認識していただいて構いません。
大事なことなので繰り返します。「願いをかなえる未知の輝き」です。
正直これだけ覚えていればあなたも私と同じようにラステル世界の本を呼び寄せることができますし、この「図書館」の司書にもなることができます。
たくさんの情報があって、「水晶」を直接捉えるというのは不可能に近いです。回り道をするしか方法がありません。
私も幾度となく試みてきましたが、物語を通してしか確認できませんでした。
水晶は目の前にあるのに、その中にある影しか観測できないことは非常に悔しいことではありますが、それは私事なので関係はありません。
書き始めたのはいいものの、「水晶」についてわからないことが多すぎて、結局まとまりのない書き方になってしまいました。
これから描く絵や、物語は、全てこの「水晶」がベースになっています。
それだけ覚えていただければ幸いです。
重要であるのに、未知なので、ここで書きまとめました。
またよりよい伝え方が見つかれば更新しておこうと思います。
―司書A